3月20日で、イラク戦争開戦から5年を迎えます。
2003年3月20日に始められたイラク戦争に、日本政府は大多数の市民の反対にも関わらず協力してきました。 9.11以降、そしてこの5年、“対テロ戦争”の名のもとに繰り広げられる軍事作戦の中、イラクのみならず中東は治安の悪化と政治的な混迷を深めています。JVCが活動するアフガニスタン、イラク、パレスチナでは、そこに暮らす人々から悲痛の声が伝わってきます。
イラク開戦から5年のこの日、政治学者の武者小路 公秀氏にこの問題を大局的に語っていただくとともに、JVCスタッフが中東の現場の状況をお伝えし、日本と国際社会が何をすべきかを議論します。
またアジアプレス・インターナショナル代表・野中 章弘氏の解説により、最新のイラクの映像を上映する予定です。
■映像上映:野中 章弘氏(アジアプレス・インターナショナル代表)
■基調講演:武者小路 公秀氏
(大阪経済法科大学 アジア太平洋研究センター所長、元国連大学 副学長)
■問題提起:谷山 博史(JVC代表理事)
■現場報告:谷山 由子(JVCアフガニスタン)
田村 幸恵(JVCイラク)
藤屋 リカ (JVCパレスチナ)
■パネルディスカッション:
コーディネーター 高橋 清貴(JVC調査研究担当)
【日時】2008年3月20日(木・祝)13:30~16:30
【会場】生活産業プラザ「ECOとしま」多目的ホール
【住所】豊島区東池袋1-20-15
【地図】http://mekuru.city.toshima.tokyo.jp/sangyo/ids/plaza/ids_plaza.html
【アクセス】池袋駅から徒歩7分
【参加費】800円(JVC会員の方は無料です。当日の入会も可能です。)
【お申込・お問合せ】
日本国際ボランティアセンター(JVC)
http://www.ngo-jvc.net
TEL 03-3834-2388 info@ngo-jvc.net
※事前にお申し込みください。
日本で何らかのイラク支援をしているボランティア団体は、多くはない。個人レベルの活動を含めても20を越えないかもしれない。一昨年、NGO関係者や現地で実際に活動している人に聞いてみたところ、開戦後、継続的に活動し、かつ年間予算100万円を越える団体は数えるほどしかないということだった。
JVCはその数えるほどしかない団体の一つ。白血病・小児ガン治療のための医療支援やイラク西部の緊急人道支援を行っている。
医療支援においては、2004年にイラクで医療支援を行っている他のNGOとともに「日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)」を立ち上げている。
JIM-NETに参加している団体は現在8つ。狙いは、支援の効率を上げるために、援助の重複を避け、役割分担を明確にした調整と、医療の専門性を高めることにあるという。
【参加団体】
日本チェルノブイリ連帯基金(JCF) / 日本国際ボランティアセンター(JVC)/ アラブの子どもとなかよくする会 / アジアとむすぶ市民の会・長崎 / 子どもの平和と生存のための童話館基金 / イラク医療支援・通販生活 / 劣化ウラン廃絶キャンペーン(CADU-JP) / スマイルこどもクリニック
http://www.jim-net.net/about_jim/about01.htm
JIM-NETはマスコミにしょっちゅう取り上げられているので、JVCよりもJIM-NETの方で知っている人の方が多いかもしれない。
例えば、サッカーの中田英寿さんがJIM-NETが活動するところを尋ねそれが雑誌に載ったり、ミュージシャンの坂本龍一さんが雑誌のインタビューの最中、オフィスの一角にあるPCの画面にJIM-NETのウェブサイトを映していたり、そういう形でおしゃれな雑誌で取り上げられることもある。
先だってのバレンタインデーには、「限りなき義理の愛大作戦2008」というキャンペーンをやっていた。一個500円で売ったチョコを活動資金の一部にあてている。このチョコは、北海道土産でおなじみのマルセイバターサンドを作っている『六花亭』製。味の方も申し分なく美味い。
http://www.rokkatei.co.jp/
JVCのウェブサイトには、イラクに関する政策提言やメディア掲載記録も載っており、イラク情勢を把握するのに役立つ。
開戦直前、2003年3月10日に書かれた「イラクへの軍事行動を正当化できない10の理由」は、その後のイラクや中東を考える上でいまなお有効だ。
http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy/prj03detail01.html
2007年4月25日に安倍総理(当時)に出された「イラク特措法改正に関する公開質問状」では、自衛隊派遣の根本的な意味を問うている。
http://www.ngo-jvc.net/jp/notice/notice20070426_iraqstatement.html
3項にこういう指摘がある。
「航空自衛隊派遣の非代替性について
航空自衛隊の活動として政府は、クウェートからイラクのバスラやバグダード及びエルビールの空港に多国籍軍や国連の物資や部隊を輸送していると説明しています。しかしイラク国内のこれらの空港にはロンドン、ウィーン、アンマン、カイロ、ドバイ等から民間商業便が就航しています。」
確かに、疑問をもたざるをえない。物資はすべてクウェートに集められるとでもいうのか?支援物資に関して言えば、そんな非効率な話はなかろう。
例えば、イラク航空は毎日飛ぶというわけではないが、現在これだけの定期便路線をもっている(イラク航空ルートマップ)。
http://www.iraqiairways.co.uk/en/destinfo.htm
あまり知られていないことだが、Tigris Air、Jupiter、Orbit、Ishtar、Flying Carpet、Kurdistan Airwaysといったベンチャー航空会社も立ち上がっており、いわゆる格安航空としてイラク人の間で広まっている。
http://www.euromonitor.com/Travel_And_Tourism_in_Iraq
クルディスタン航空・ルートマップ
http://www.kurdistan-airline.gr/index.php?
option=com_content&task=view&id=10&Itemid=6
■ビデオロングインタビュー(JVC、イラク関連)
【NGOが問う】これでいいのか?イラク論議・現地の混沌を見よ(JANJAN:2007/7/20)
http://www.news.janjan.jp/world/0707/0707189315/1.php
NGOが行く(7)イラク:迫る感染症、人道支援が急務(JANJAN:2007/2/28)
http://www.news.janjan.jp/special/0702/0702250615/1.php
NGOが行く(8)イラクと日本 子どもの絵がつなぐ想い(JANJAN:2007/5/9)
http://www.news.janjan.jp/special/0705/0705075100/1.php
NGOが行く(9)イラク いま問われるNGO(JANJAN:2007/5/12)
http://www.news.janjan.jp/special/0705/0705105262/1.php
■イラクで活動するNGO
イラクNGO調整委員会(NCCI)
イラクで活動するNGOのネットワーク組織。2007年、NCCIには80の国際NGOと200のイラクのNGOが参加しているが、セキュリティーの関係で公表されていない。
http://www.ncciraq.org/
国際赤十字(赤新月社)、イラク赤新月社
イラク全土を唯一カバーしていると言われるNGO。2008年は国際赤十字の活動の中でイラクを最大のターゲットにしているという。
http://www.icrc.org/Web/Eng/siteeng0.nsf/htmlall/iraq?OpenDocument
オックスファム
イギリスの巨大NGO。1991年から活動。現在は最も戦闘が激しい西部のアンバール州に焦点をあてているもよう。2007年7月には、「Rising Humanitarian Challenge in Iraq」(深まるイラクの人道問題)をNCCIとともに発表。イラクにおける人道危機を包括的に分析。世界中のメディアが取り上げている。
http://www.oxfam.org.uk/oxfam_in_action/where_we_work/iraq.html
http://www.oxfam.org.uk/resources/policy/
conflict_disasters/downloads/bp105_iraq.pdf
ピースウィンズジャパン
1996年以来、イラク北部のクルド人自治区内で活動。現在は、医療施設や水道関連施設、学校などの再建に取り組んでいる。
http://www.peace-winds.org/jp/labo/iraq.html
JEN(ジェン)
2003年5月からイラクの人々への支援を開始。現在、バグダッド市内の小・中学校や下水設備の修復事業、国境医療支援事業に従事。
http://www.jen-npo.org/active/iraq.html
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