http://content.nejm.org/cgi/content/full/NEJMsa0707782
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イラク戦争の民間人死者数、3年間で15万人超=WHO
[ジュネーブ 9日 ロイター] 世界保健機構(WHO)が9日に発表した調査結果によると、イラク戦争開戦後の3年間に攻撃などで死亡したイラクの民間人の数は約15万1000人となった。
イラク戦争開始以降で最も包括的な内容となる今回の調査では、2003年3月─2006年6月の死者数は10万4000─22万3000人になる可能性があるとしている。
同期間の死者数については、2006年のジョンズ・ホプキンス大学による調査では60万人以上とされていた。今回の数字はこれを大きく下回る一方、非政府組織(NGO)イラク・ボディー・カウントによる集計値である8万─8万7000人は上回っている。
WHOの調査を担当したモハメド・アリ氏は、記者団に対し「こういった推計の作成には多くの不確定要因がある」と指摘。バグダッド州やアンバル州の一部で治安が不安定なために調査担当者が近づけない地域があったなどの理由から、統計の誤差は相対的に高くなるとしている。【1月10日15時30分配信】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080110-00000981-reu-int
もともと調査の趣旨はイラクの保健行政に役立てるというもので、いろんなことを市民に聞いている。例えば、イラクではエイズについて認識が周辺諸国に比べると著しく低いことが挙げられている。
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=25249
WHOがこの調査について、基本的な問いをQ&A形式で答えている。
・調査が難しいのはなぜか?・・・そもそも死者を登記するシステムが働いていないため。これでは、病死や事故死を含め死者についてよくわからないのも当然。それで、世帯調査に依存するわけだが、一つの家族に3~5年協力してもらうはずが、戦況が酷くなるとどこかに行ってしまわれたりで、調査が完了しない場合がよくある。また、地域によってはとても危険なためデータを収集できないでいる。
・イラクボディーカウントとどっちが信用できるんだ?・・・イラクボディーカウントはメディアにのったものしか数えないので実数を過小評価している。問題は、その数字がどれくらいのものかだ。今回の調査と比べると、全体で1日あたり3人に1人しかメディアに載っていないことになる。これを1年目、2年目、3年目と分けて比べてもやはり3人に1人だ。
・なんで2006年6月までなんだ?・・・比較できるデータ、つまり戦争より前に調査されたものが3年ごとの集計だったため。
http://www.who.int/mediacentre/news/releases/2008/pr02/
en/index.html
http://www.who.int/mediacentre/news/releases/2008/
pr02/2008_iraq_mortality_study_qa.pdf
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