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規模が小さくなるというのは、ベトナム戦争時代の反戦運動と対照的だ。あのときは戦争が進むにつれて大きくなっていった。
運動家や専門家は団体間の分裂に加え、そのほかに戦略のなさ?(lack of draft)、戦争疲れ、インタネットの盛隆といったこと全てが低迷につながっているという。
地元メディアの報道によると、(9月29日の)土曜日の集会に参加したのは1,000人以下だったのだが、そんなわずかな参加者だと、アメリカがイラクに関与することをやめさせるという目標を台無しにしてしまうと、参加者はいう。
「デモをしても、ものすごい強い印象を与えられないとなると、政治家に人々は戦争に反対でも誰も代償を払う気がないんだという感覚を与えてしまう」と、反戦運動家でもあるアメリカン大学の歴史学教授、Peter Kuznikさんはいう。
USAトゥデーとギャロップの世論調査によると、反戦集会は戦争がはじまった2003年にはかなり多くの人々を引き込んだのだが、そのときはアメリカ人の僅か23%が侵略は間違っていると言っていた。いまこの数字は58%に上っている。
戦争に関する不満はブッシュ大統領の支持率を引き下げてきたし、昨年の選挙で民主党が議会の主導権を得ることを助けた。しかし、2005年から反戦団体は自分たち以外の団体と一緒にやるより、各々ばらばらにイベントを推し進めることを選んでいる。
(9月29日の)土曜日の抗議行動は、トゥループス・アウト・ナウ(Troops Out Now Coalition) の後援だったが、これは大よそ1万人を集めたアンサー(ANSWER Coalition)の反戦イベントの2週間後にあたる。アンサーは3月にも集会を後援している。
両者の基本方針は似ており、イラクだけでなくキューバやイランといった国に対する、彼らがいうところの「帝国主義」的なアメリカの政策に反対している。だが、そのことがいくらかの支持者を遠ざけてきた。
「こういう周辺事項全部に対して関わりをもつことになるんです。あなたが望んでいようが、いまいがね」と、ハミルトン大学の歴史学教授 Maurice Issermanさんはいう。
■分裂少数派
この2つのグループのリーダーは、労働者世界党(Workers World Party)と関係がある。この団体はソ連型の計画経済への変更を提唱している。しかし、2004年、論争がおこり、メンバーの一部が社会主義と解放のための党(Party for Socialism and Liberation)という分派をつくった。
そして、分派したほうはアンサーで活動を続け、労働者世界党に残ったほうのメンバーは、トゥループス・アウト・ナウをつくったと、トゥループス・アウト・ナウの広報担当者、Dustin Langleyさんはいう。
*イラク反戦において、もともと労働者世界党はアンサーを拠点に活動していたが、分派したほうがアンサーを引き続き拠点にした。残ったほうがアンサーと決別し、新たにトゥループス・アウト・ナウを立ち上げたということだろう。
一方、これらとは別の反戦団体、平和と正義のための連合(United for Peace and Justice)は、2005年の集会以来、アンサーと一緒にやることを拒否している。メディアリポーターによると、そのときの集会には10万人を大幅に超える人が集まったが、両者はスピーキングタイム(アピールタイム?)や、そのほかの論点で衝突してしまった。
平和と正義のための連合は、イラク戦争を終わらせることに重点的にとりくんできており、1月の集会では10万人を集めている。また、今月下旬(10月27日・土)には、地方都市11箇所でデモの計画をたてている。しかし、ワシントンではやらない。
「一緒にやっている支持者が言うんです。過去4年間、私たちはワシントンに何度も行ったけれど、もう一回ワシントンに行きたいとは思わないって」と、全国コーディネーターのLeslie Kagan さんはいう。
この春、アンサーは複数の反戦団体に大規模な集会をするために協力しようと呼びかけたが、平和と正義のための連合は加わるかどうかを決めなかったと、Kagan さんとLangleyさんはいう。
反戦運動のリーダーたちは、最近の抗議活動の小規模化は、分裂というより新しい戦略を反映しているせいだという。コードピンク(Code Pink)のような小さな運動家グループはカラフルで、議会聴聞会やブッシュ政権の高官が現れるような場所では、混乱をひきおこせる存在だ。
「50万人が路上にでるときは、ただそこにいることが肝心というときです」と、Langleyさんはいう。
しかし、ほかのひとは、そもそも今後ワシントンに向かうなんてことはあまりありそうにないという。「人々はうんざりしているんです。苛立っているんです。というのも、戦争がこんなに長く続くなんて予想してなかったので」と、アメリカ進歩的民主党(Progressive Democrats of America)の女性広報官、Laura Bonhamさんはいう。この団体は、政治家に撤退を支持するように働きかけている。「そうですね、(地方で活動するということは)家にいられるようなもんですね」
若いひとの抗議行動の不参加が著しい。彼らは、ベトナム戦争時代には異議を申し立てる人の大部分を占めていたのだが。もしかしたら、彼らは軍隊に召集されるという危険にさらされていないからなのか、あるいは戦争に対する異議を路上でよりもインターネットでのほうが表せるという感覚からということからかもしれないと、Issermanさんはいう。
U.S. protests shrink while antiwar sentiment grows
http://news.yahoo.com/s/nm/20071003/ts_nm/
usa_iraq_protests_dc
http://s02.megalodon.jp/2007-1005-0655-49/
http://news.yahoo.com/s/nm/20071003/ts_nm/
usa_iraq_protests_dc
ナショナルモール
http://ja.wikipedia.org/wiki/
%E3%83%8A%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%
83%8A%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%A2%
E3%83%BC%E3%83%AB
トゥループス・アウト・ナウ(Troops Out Now Coalition)
http://www.troopsoutnow.org/
アンサー(ANSWER Coalition)
http://answer.pephost.org/
労働者世界党(Workers World Party)
http://www.workers.org/
平和と正義のための連合(United for Peace and Justice)
http://www.unitedforpeace.org/
コードピンク(Code Pink)
http://www.codepink4peace.org/
アメリカ進歩的民主党(Progressive Democrats of America)
http://pdamerica.org/
■関連
イラク戦争まる4年世界共同行動情報サイト/関連リンク(アメリカの反戦運動をうかがう)
http://320.aikotoba.jp/4p/6.html
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